海外駐在で持つべき心構え~仕事編~

もい。みたんしゅ(@Mitash11)です。

今回は海外駐在で持つべき心構えについて私の考えを共有します。今回は仕事についての心構えです。駐在員でやけに偉そうな人とか、何のためにいるのかわからない人、はたまた迷惑かけてしまうとんでもない人も残念ながらいます。そういう人に直接モノを言えない気の弱い私は、このブログに心構えを書いてしまうのでした。

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海外駐在員の存在意義とは何だろう?

何故本社は海外子会社などに本社の大事な要員を送り込むのでしょうか?人それぞれの立場や状況によって異なると思います。これを理解できていないと駐在中に無駄な時間を過ごすばかりか、自分も周囲も不幸になってしまう危険をはらんでいます。でもこれは誰も教えてくれません。経営に関わる人たちにいろいろな角度から聞き込み調査をして、自分なりに存在意義を整理するとよいかもしれません。

私は下記が根底にある存在意義だと考えています。

  • 駐在先会社の強みを発展させ、本社連結に好影響をもたらすこと
  • 駐在先会社の弱みを強化し、より良い安定した事業基盤を整えること
  • 本社と駐在先のコミュニケーションを円滑にし、より良い信頼関係を築くこと

この大事な三本柱を忘れずに行動していれば、現地の方が喜んでくれるのはもちろんのこと、本社としても予算をかけて駐在させた意味があると納得してくれるはずです。

何よりも、それが自分のためにもなります。誰だって自分が実施した仕事の先の達成感や納得感があれば楽しく幸せに働けますし、自己成長を感じることで自信につながり自己肯定感を高めてくれますよね。これらはきっと自分の人生を豊かにしてくれると私は信じています。

現地派?本社派?

man and woman near table
Photo by fauxels on Pexels.com

よくこんな議論を耳にします。

「あなたは本社の人間なんだから、常に本社側の味方でいないとだめだよ」

「あなたは駐在員なんだから、現地のために働かなくてはだめだよ」

あなたはどう思いますか?ある駐在員は現地派で現地から慕われ、ある人は本社派で嫌われていることでしょう。本社から見れば逆です。現地派よ、お前は何のために行ったのだと。

私はこんなのどうでもいいと思っています。私は現地の人から見れば現地派で、本社の人から見れば本社派です。我々駐在員は所詮中途半端な存在であるとそのまま認知すればよいのです。そして思い出すのです。我々の存在意義は何だったかな、と。

これらの存在意義のためならば、私はその人の立場によって言い方は変えます。「私はあなたと同じことを思っていますよ、味方ですよ」ぐらい言います。ずるいですか?しかし、両者が全く同じ結果を目指していても、それぞれが思い描いているアプローチや重視する点が違うのです。両社の理想の本質を捉えて、それぞれの立場からポジティブに納得させ、目標に前向きに向かわせるように導くのが我々の仕事です。

我々駐在員がどちらの派閥に属しているか、どちらを優先するかなんてどうでもよいのです。どちらにも属していますしどちらも大事です。それでいいんです。そうしないと我々がいる意味がありませんから。我々は両者の間でシナジーを生み出すために存在しているのです。結果が見合えばそれぞれの主義主張は何でもよいのです。なるほど、わかりました、そうですね。でよいのです。自分を理解してほしいという承認欲求は会社では捨てます。あくまでもプロフェッショナルに。(これは自分にも常日頃言いたい。つい認められたくなりますからね)

そして我々駐在員は中立の立場にいるからこそ、バランス感覚が重要なのだと実感しています。現地企業個別最適の視点、本社も含めた全体最適の視点、スタンドアローンの視点、連結事業の視点、社長の視点、現場の視点、管理者の視点、駐在員の視点、お客様の視点、競合他社の視点、全ての視点から自分が正しいと信じた道を推進するのです。周囲の協力を得ながら協働して。

必ずしもロジカルだけでは物事は決まらない。関わる全ての人のエモーショナルな部分を噛み砕き、融和させて一体感や納得感のあるものにしていく。抽象的ですがこのようなイメージでしょうか。そうは言っても全て受け止めているとたまに疲れてくるので、甘えさせてくれる家族はとっても大事ですよ。

自分が気持ちよく働くために

異文化コミュニケーションという言葉をよく聞くと思います。言語を勉強して文法や単語の意味を覚えて話すことができるようになるだけでは、真のコミュニケーションはとれません。その人がいる文化的背景や生活事情を理解しないと本当の意味で理解していることにはならないからです。

私は生粋の日本人なのでこれを最初から出来たわけではありません。しかし、心がけとして持っていたのは「その人の発言が理解できない、受け入れられない。本社の考え方からしてもそこはおかしい。」と思ってもそのまま置いておくことです。これは昔の上司からの駐在のアドバイスでした。

その場で自分が思う正論で反論しても意味はありません。そういう考え方もあるんだと思って別の場所に置き、一度持ち帰って熟成させるのです。質問したり、自分がどう考えるかを意見するのはOKです。その人が何故そのように考えるのか少し探る必要があるからです。

実はこれは自分のためにもなっているのです。いちいちその場で反論していてもきりがありません。育った環境が違うので考え方が違うのは当たり前だし、分野によってはレベルが違うのも当たり前です。いちいち自分達と同じことを求めているとはっきりいって疲れます。

ありのままに現実を受け止め、自分の中で課題リストとして隠し持っておき、チャンスがきたら引き出しからそっと出して、いざ行動に移すのが最も効率的で誰も傷つかない方法です。実はこういうことって、引き出しにしまってしばらく経つと、大体現地の人から相談にくることが多いのです。自分で主張しておきながら後で冷静に考えてしまうのでしょうね(笑)。そのときにすっと引き出しから出してあげると喜んでくれます。同じことでも向こうが主体的に考え出した時に一緒に解決すれば結果が正反対になりますよね。

このとき、何故自分がそのように考えるか、何故そのような行動に移すかを論理的に組み立て、行動した結果どんな良いことが起きるのかを見せる。そのために引き出しの中で準備しておくのです。こうしておけば会社の中でも徐々に「私」というアイデンティティが出来てきて、いろんな方と信頼関係を築けると思います。

でも待っていてばかりでは何も進みませんよね。ちょっとコツがあって、普段の会話でじわじわと課題感を出しながら醸成させていくんです。自分から考えはじめるようになれば準備完了です。私がよく使うテクニックです。

我々は所詮外国人。焦らずゆっくりと。

おわりに

いかがでしたでしょうか。駐在が持つべき基本的な心構えについて私なりの考えを書いてみました。他にもいろいろなご意見があると思いますので、数あるうちの一つの意見としてご参考頂ければ幸いです。

ご質問、お悩み相談などございましたらお気軽にお問合せください。

では。

駐在員の仕事術まとめ (note)

悩める駐在員の課題解決法については下記の記事もぜひ。

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この記事を書いた人

海外駐在がひと段落した会社員。
料理はリラックスタイム。

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